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◆お気に入り映画リスト◆映画レビュー ◆映画レビュー索引 ◆浅野忠信 作品リスト ◆F・フェリーニ 総括 ◆各氏・各雑誌のベスト ◆映画関連 その他 ◆沖縄滞在記(全32回) ◆沖縄移住記(全52回) ◆ラーメン(650店制覇) ◆未分類 最新のコメント
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◆なまえ にじばぶ ◆性別 男 ◆出身地 東京都下 ◆現住所 東京都下 ◆メール nijibabu@hotmail.com ◆好きな映画監督 成瀬巳喜男 溝口健二 石井輝男 川島雄三 ペンエーグ・ラッタナルアーン トラン・アン・ユン ミケランジェロ・アントニオーニ ピエル・パオロ・パゾリーニ ジャン・ユスターシュ ジム・ジャームッシュ ウォン・カーウァイ(王家衛) ◆好きな映画作品 ★10点満点(順不同) 地球で最後のふたり ナイト・オン・ザ・プラネット 太陽はひとりぼっち キッズ・リターン 恋する惑星 ピクニック(1936) 乱れ雲 ★9点(順不同) [Focus] ダウン・バイ・ロー 新・仁義の墓場 都会のアリス 網走番外地 ぼくの小さな恋人たち 他人の顔 ニュー・シネマ・パラダイス 祇園囃子 残菊物語(1939) 穴(1960) ビューティフル・デイズ 幕末太陽傳 ある殺し屋 飢餓海峡 崖 街の灯(1931) 晩菊 誓いの休暇(1959) 妻は告白する 眼には眼を 月はどっちに出ている ゆきゆきて、神軍 モダン・タイムス 恐怖の報酬(1953) ◆好きなシリーズ映画 STAR WARS 男はつらいよ ◆お気に入り 【俳優】 浅野忠信 アラン・ドロン レスリー・チャン 金城武 成田三樹夫 市川雷蔵 フランキー堺 池部良 【女優】 モニカ・ヴィッティ デルフィーヌ・セイリグ アヌーク・エーメ ヘレン・ハント ケリー・チャン フィオナ・シッ 木暮実千代 香川京子 橘ますみ 司葉子 杉葉子 佐藤友美 中山忍 原田知世 椋木美羽 【スポーツ選手】 レノックス・ルイス ハリド・ハヌーシ ヒシャム・エルゲルージ 坂本直子 【東京23区】 港区麻布永坂町 品川区東五反田5丁目 渋谷区松濤 荒川区南千住8丁目 浅草 【建物】 同潤会アパート 九龍城砦 【乗り物】 都電荒川線 ◆相互リンク 時代の情景 良い映画を褒める会。 web-tonbori堂ブログ 寄り道カフェ ラーメンが特に多いです。 ネームカード
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【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『伽倻子のために』(1984/日本)【監督】小栗康平 ★ 南果歩のふくらはぎが綺麗に撮られていると思ったら、後半、そのふくらはぎを男が触りまくる。 良かったのはこの部分のみ。 はっきり言って、つまらない映画。 『顔』(2000/日本)【監督】阪本順治 ★★★★ 殺人を犯した人間が逃走する様を、実にリアルに描いている。 人間、何がなくても何とか生きていけるもんだなぁ、と別なところで感心してしまった。 行く先々で色んな人と出会い、別れ、ひどい目に遭い、ちょっとした幸せも感じた。 そして何より、劣等感の塊だった一人の女性が、逃亡生活の中でちょっとずつ自我を発掘し、今までの人生で抱えていた劣等感を克服して、活き活きとしていく様が実に興味深い。 社会から隔絶していた人間が、反社会的な行動に出た時、初めて社会と本当の意味で接することができた。 何たる皮肉、何たる人生の数奇さよ。 人間、どこまで堕ちたとしても、とりあえずは生きているべきだということ、それを本作から学ぶことができた。 実に有意義な2時間だった。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『麻雀放浪記』(1984/日本)【監督】和田誠 ★★★★ モノクロの映像が実に自然で素晴らしく、風景もまたリアル。 戦後の荒涼とした状況の中で、博打に生きる男たちの生き様を通し、重厚な人間ドラマが実に巧く表現されている。 一方で、キャスティングについては好みに合わず、鹿賀丈史や加賀まりこ、大竹しのぶ辺りが、この戦後を舞台に描いたせっかくのリアル感を、少なからず損なわせている気がした。 しかし、主演の真田広之は意外にも良かったし、女衒役を演じた加藤健一がとにかくカッコよかった! ただ、あんな情け深い女衒じゃあ、商売にならないだろうに・・・ 麻雀については、ツミコミや賽の目の出し方テクニックなど、見所があった。 戦後の闇賭場として、バーだかクラブだかが出てきたが、場末で怪しげな雰囲気を醸し出していて、実に味わいがあった。 『GO』(2001/日本)【監督】行定勲 ★★★★ 序盤はむやみにハイテンション・ハイスピードで物語が展開され、「こんだけブッ飛ばしておけば、つかみはOK!」的な、あざとい狙いが脚本に感じられる。 やはり、この脚本家は苦手だ。 中盤からは、在日をテーマにした恋愛ドラマにシフト。 ハチャメチャさだけで最後まで突っ走ってくれたら、おそらく傑作間違いなしだっただろう。 ところが、在日という変に真面目なテーマを掲げるているもんだから、どうにもアンバランス。 バイオレンスとスピード感、そしてほろ苦くも甘いラブストーリーだけで構成すれば十分だったんじゃないだろうか。 今から10年前の作品で、一応“ゼロ年代”の映画ということになるが、古臭さが既に感じられるから驚き。 この10年の日本映画の変わり様は、私が思っている以上に早いようだ。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『台北に舞う雪』(2009/中国・日本・香港・台湾)【監督】フォ・ジェンチイ ★★★★ おもいっきりベタな展開の恋愛映画だが、ストーリーよりも、映像の美しさ、風景描写の素晴らしさ、色使いの美しさに目を奪われた。 台湾特有の、街中を線路が突き抜けるロケーション。 その近くに建つ、おんぼろの家。 これらが美しい映像によって映し出されている時点で、ストーリーがむしろオマケにも思えてしまう。 主演の男女二人は、特別、美男・美女とも思えないが、かえって親近感をおぼえた。 『エレクション』(2005/香港)【監督】ジョニー・トー ★★★★ レオン・カーファイが、中山ゴンに似ているが、これがまたかっこいい!! 実にカチっとヤクザ役がキマっている。 要するに、香港の裏社会を描いたヤクザものだが、そこはさすがのジョニー・トー監督、後半にたたみかける様にアっと言わせるシーンが連発! 実に魅せてくれるヤクザ映画だ。 北野武のヤクザ映画とはまた異なる面白さを持った内容で、香港のチムチャーツイの夜景を堪能できるのも、また素晴らしい。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『SOUL RED 松田優作』(2009/日本)【監督】御法川修 ★★ 時折挿入される松田優作自身の声、その発言が一番面白かった。 他の出演者達が、「優作さんは凄いんですよ」と連呼しているが、それほど興味を惹かれなかった。 このドキュメンタリーの内容構成は、過去の作品映像が大半と、他の出演者達のエピソードをつないだものであり、面白さという点において完成度は低い。 松田優作自身の声、発言、思想などに魅力を感じただけに、もっともっと、松田優作自身の映像や声を聴きたかった。 というか、そういう構成にして欲しかった。 『活きる』(1994/中国)【監督】チャン・イーモウ ★★★ 1940年代から60年代を舞台に、中国のある家族の一代記を描いた作品。 博打で屋敷を手放し、戦争では死の淵を彷徨い、二人の子供は死んでしまう。 それでもなお人間は生き続けなければならない。 人間は弱くもあるが、時間を経るにつれ、辛い出来事を乗り越え逞しくまた生きていく。 その躍動感に満ちた人生を『活きる』と題し、描いて終わるのだが、どうも単調だし、尺も長いのがひっかかる。 チャン・イーモウはこの手の人情劇を撮らせると抜群に良い味を出せる監督だが、本作は変にスケールを大きくしてしまったせいで、初期の作品群に感じられた素朴な味わいが消えてしまっているように感じた。 後のワイヤーアクション大作で、それまでのファンを置き去りにしたチャン・イーモウが、その片鱗を見せた作品だと感じる。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】
【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『ココダケノハナシ ~短篇.jpルーキーズ第3弾~』(2008/日本) 【監督】夏目大一朗/吉村真悟/瀬川浩志/真壁幸紀/浅野晋康/真田幹也 ★★★ オムニバス映画だが、元々はWEBで配信された作品らしい。 軽い作りはいかにもWEB配信作品という感じだが、かえってそれが短編オムニバスのテンポの良さに一躍かっている。 全部で6話あり、一本あたり10分程度の尺。 その中で一番気に入ったのが、第5話の『キッスがしたい』だ。 話自体もピュアで良いが、キスをする二人に熱く意見をはさむ女性の演技が素晴らしかった。 実に熱のこもった演技で、それなりの作品でこの演技を見せていたら、助演女優賞とか獲れるんじゃないか、と思わせる素晴らしい演技だった。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 『家族ゲーム』で名を馳せ、1980年代から1990年代の最強日本人監督、森田芳光氏が2011年12月20日、肝不全の為、お亡くなりになられました。
『の・ようなもの』で天才の片鱗を見せつけ、代表作『家族ゲーム』で世間を驚かせ、『(ハル)』で時代を先取りした名監督が急死したのは、非常にショックでした。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 管理人 にじばぶ 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『悪人』(2010/日本)【監督】李相日 ★★★★ ⇒こちらのレビューをご参照下さい。 『魚座』(2000/韓国)【監督】キム・ヒョンテ ★★★ ある女性がある男を好きになったが、その愛は実らず、片思い。 その片思いは次第にエスカレートしていき、ついには悲恋の道を辿る・・・ およそ、こんな内容だが、どうにも猟奇的で恐ろしい。 しかし、恐ろしいのに、同時に清々しさまで感じてしまうという内容で、最後まで目が離せなかった。 女性特有の一途な愛の形というか、男の私には理解しきれない凄みがあった。 これは女性向けの映画だろうと個人的には思うが、「女性とはこんな生き物なのか?」という観点において、男が観ても別の意味で楽しめるかもしれない。 だけど、自分がこの男の立場に置かれたらどうだろうか? とてもじゃないが、生きた心地がしないだろうし、迷惑極まりない。 一方通行な愛は、単なるエゴで愛の強要である。 腑に落ちないのは、ラストで男が女の持つ店に車で駆けつけるところ。 いくら自分のことを誰よりも愛してくれる女性の存在に気づかされたとしても、こんなストーカー行為をされた男が、果たしてこの女に歩み寄るだろうか? いや、男は決して歩み寄らない。 それどころか、ますます逃げることだろう。 少なくとも私ならそうだ。 そういった点においても、男の特性を無視した内容で、とことん女性の為の映画だなぁ、と一種の感心に近い気持ちにさせられた。 猟奇的なまでの女性の片思いを徹底的に描ききったという意味において、極めてシンプルな内容の恋愛映画だ。 『告白』(2010/日本)【監督】中島哲也 ★★★★ ⇒こちらのレビューをご参照下さい。 『ハッシュ!』(2001/日本)【監督】橋口亮輔 ★★★★ 同性愛ものという時点で既に自分にとってNGだし、高橋和也の演技も気色悪いのだが、それでもなお且つ楽しめたのだから不思議だ。 なんというか、世の中のはみ出し者同士が、傷を舐め合うような内容で、どちらかというと弱者を描いている。 そこに傲慢さは感じられず、何だか謙虚で繊細な映画だなぁ、と感じ入った。 人間的な優しさを感じさせる映画である。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 「現在、私が抱えている宿題映画の一部を公開!!」
というわけで、長年、リストに「宿題映画」をメモってきましたが、その一部を公開したいと思います。 (順不同) 友よ、静かに瞑れ 好き 卒業 Happy! School Days! 血と砂 遊び 好色一代男 刺青 赤い天使 夢のまにまに 鈍獣 オアシス シークレット・サンシャイン 太平洋ひとりぼっち 復讐するは我にあり ふたり はなれ瞽女おりん 魚影の群れ それから ハワイ・マレー沖海戦 オール・アバウト・マイ・マザー ランブルフィッシュ ロング・グッドバイ ノーカントリー 輝ける青春 鏡の女たち 黒薔薇昇天 祭りの準備 カナリア パリの大泥棒 ビバ!マリア! アラモベイ 天使の眼、野獣の街 SPL/狼よ静かに死ね 春との旅 愛の予感 ワカラナイ 太平洋奇跡の作戦 キスカ 鬼が来た! 劇場版 フランダースの犬 パイラン キサラギ 絶対の愛 アパートメント ジャッカルの日 女番長 野良猫ロック Sweet Rain 死神の精度 セリーヌとジュリーは舟でゆく 4ヶ月、3週と2日 ミスター・ロンリー グミ・チョコレート・パイン 赤い文化住宅の初子 水の中の八月 愛の奴隷 ルー・サロメ 水の中のナイフ 風の丘を越えて/西便制 誰かがあなたを愛してる PLASTIC CITY プラスティック・シティ カップルズ 黄色い大地 すべての些細な事柄 いのちの食べかた 愛さずにいられない エブリデイ・イズ・バレンタイン 息子のまなざし 子猫をお願い エグザイル/絆 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 ルート225 エロティックな関係 夜の上海 四川のうた あの日、欲望の大地で バンコック・デンジャラス パピヨン ガルシアの首 ドラゴン危機一発 ばかのハコ船 素直な悪女 気まぐれな唇 母たちの村 迷子の警察音楽隊 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 眼下の敵 パプリカ 悪い男 母なる証明 リミッツ・オブ・コントロール 狙った恋の落とし方。 人斬り ジャガーノート 女囚701号 さそり 大殺陣 薔薇の葬列 ブラック・レイン 餌食 華氏451 大地のうた 不倫純愛 ヒズ・ガール・フライデー はつ恋 上意討ち 拝領妻始末 ヒロシマナガサキ IP5/愛を探す旅人たち 日本暗殺秘録 1000の瞬き 暗黒街の弾痕 現代人 昭和残侠伝 死んで貰います 神様の言うとおり ~短篇.jpルーキーズ第1弾~ スイッチ! ~短篇.jpルーキーズ第2弾~ 芙蓉鎮 カリートの道 痴漢ドワーフ 汚れた顔の天使 ボーン・アルティメイタム 極道戦国志 不動 八日目の蝉 BIUTIFUL ビューティフル 一命 って感じで、ほんの一部です。 ほとんど手元に焼いてあるか、HDDに保存してありますが、時間が無くてなかなか観れません。 『告白』(2010)上映時間:106分 製作国:日本 ジャンル:サスペンス/ドラマ/学園 監督:中島哲也 原作:湊かなえ『告白』(双葉社刊) 脚本:中島哲也 撮影:阿藤正一/尾澤篤史 美術:桑島十和子 主題歌:レディオヘッド『Last Flowers』 出演:松たか子/木村佳乃/岡田将生/西井幸人/藤原薫/橋本愛/天見樹力/一井直樹/伊藤優衣/井之脇海/岩田宇/大倉裕真/大迫葵/沖高美結/加川ゆり/柿原未友/加藤果林/奏音/樺澤力也/佳代/刈谷友衣子/草川拓弥/倉田伊織/栗城亜衣/近藤真彩/斉藤みのり/清水元揮/清水尚弥/田中雄土/中島広稀/根本一輝/能年玲奈/野本ほたる/知花/古橋美菜/前田輝/三村和敬/三吉彩花/山谷花純/吉永アユリ/新井浩文/山口馬木也/黒田育世/芦田愛菜/山田キヌヲ/鈴木惣一朗/二宮弘子/高橋努/金井勇太/野村信次/ヘイデル龍生/吉川拳生/成島有騎/小野孝弘/三浦由衣/前田想太/ ◆香港電影金像奨(香港アカデミー賞):アジア映画賞 ◆日本アカデミー賞:作品賞/監督賞/脚本賞/編集賞 ◆ブルーリボン賞:作品賞/助演女優賞(木村佳乃) ***************************************************** 2009年の本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラーを「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督、「ヴィヨンの妻」の松たか子主演で映画化した戦慄のエンタテインメント復讐劇。とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言するのだった。その後、森口は学校を辞め、事情を知らない熱血教師のウェルテルこと寺田良輝が新担任としてクラスにやってくるが…。(「TSUTAYA online」より。)***************************************************** 冒頭でいきなり、殺された幼児の母親である松たか子が、殺人事件の顛末を「告白」し、それから関連人物が次々に事件にまつわる枝葉を「告白」していくという、異色の構成。何人もの「告白」がなされ、次第に明かされていく殺人事件の真相。 映像的に暗めのトーンで展開される、このシリアスな物語は、終盤に向かって息つく暇もなく展開していく。 この展開の仕方が見事で、全く飽きさせない。 物語の構成と暗い色合いの映像とがマッチして、独特の雰囲気を醸し出しているのも良い。 ただどうだろう、とびぬけて傑作かと聞かれたら、そうでもないと答えてしまうだろう。生悪説を前提に、中学生という「少年」が残虐な行為をするという決めつけが少し極端な気がする。 確かに、人の心の痛みを十分には知らない少年が、相手の痛みを理解できず、残虐な行為をするパターンというのはよくある話だけれど、松たか子が担任していたクラスの少年たちは、全員が皆同じように残虐であり、同じような行動パターンをとる。 それが何だか、作り物的な風合いを感じてしまう。 そして無能な他の教師たちの描き方も極端。 熱血教師に恨みでもあるのかと思ってしまう。 総じて面白く、同年に製作された「悪人」と賞を競り合っただけのことはあった。だが、「悪人」にしてもそうだが、胸がすくような、心が打ちのめされるような突き抜けた何かが感じられないのだ。 中島哲也監督は、現在において、間違いなくトップクラスの監督だと思うが、期待が大きいだけに、この程度の作品でまとまって欲しくない。 もっともの凄い作品を、今後に期待したい。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 『悪人』(2010)上映時間:139分 製作国:日本 ジャンル:ミステリー/ドラマ 監督:李相日 原作:吉田修一 脚本:吉田修一/李相日 撮影:笠松則通 美術監督:種田陽平 音楽:久石譲 主題歌:福原美穂『Your Story』 出演:妻夫木聡/深津絵里/岡田将生/満島ひかり/塩見三省/池内万作/光石研/余貴美子/井川比佐志/松尾スズキ/山田キヌヲ/韓英恵/中村絢香/宮崎美子/永山絢斗/樹木希林/柄本明 ◆日本アカデミー賞:主演男優賞(妻夫木聡)/主演女優賞(深津絵里)/助演男優賞(柄本明・岡田将生)/助演女優賞(樹木希林・満島ひかり)/音楽賞(久石譲) ◆ブルーリボン賞:主演男優賞(妻夫木聡) ◆山路ふみ子映画賞:作品賞/新人女優賞(満島ひかり) ◆報知映画賞:作品賞/主演女優賞(深津絵里)/助演男優賞(柄本明) ◆日刊スポーツ映画大賞:作品賞/主演男優賞(妻夫木聡) ◆キネマ旬報:作品賞/監督賞/脚本賞 ◆毎日映画コンクール:作品賞 ◆モントリオール世界映画祭:最優秀女優賞(深津絵里) ***************************************************** 芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを「涙そうそう」の妻夫木聡と「博士の愛した数式」の深津絵里主演で映画化したヒューマン・ミステリー・ドラマ。長崎の漁村で孤独な人生を送り、ふとしたことから殺人者となってしまった不器用な青年と、そんな男と孤独の中で出会い許されぬ愛に溺れた女が繰り広げる出口のない逃避行の顛末を、事件によって運命を狂わされた被害者、加害者それぞれを取り巻く人々の人間模様とともに綴る。共演は満島ひかり、岡田将生、樹木希林、柄本明。監督は「フラガール」の李相日。 (「TSUTAYA online」より。) ***************************************************** ストーリーで見せるというより、随所に込められたメッセージ性が強く感じられる作品。 人間は大切な人がいる場合、その人のことを妄信的に愛する。相手が世間的にみて悪人であったとしても、愛する人にとっては関係ない。 親子間でも言えることで、娘を愛する父親にとっては、娘がどんなアバズレだとしても、可愛くて仕方ないし、大事で仕方ない。 誰が良い人で、誰が悪人か。 それを繰り返し根気強く、この映画は観る者にメッセージとして問いかけてくる。 悪人であるか否かの基準として、社会的規範に反する、例えば本作の様な殺人を犯した人間が悪人だとする見方がある。その一方で、その社会的に悪人と見做された人間には、その家族がいて、その人間を愛する人がいる。 社会的に悪人であったとしても、その人たちにとっては大切な人であり、ただの弱い一人の人間である。 こうした社会性と個々人との相反する感じ方の相違について、実に考えさせられる映画であって、それぞれの人物に共感でき、つまり誰が正しいのか分からない混沌とした気持ちにさせられる。 もし自分の愛娘を殺されたりもしたら、その娘がたとえどんな人格だとしても、私は殺した人間を絶対許さないし、場合によっては犯人を捜し出し、殺してしまうかもしれない。もしそうやって犯人を殺してしまったら、私も犯人同様に悪人と見做される。 だけど、本当に悪人なのだろうか? 社会的な規律を維持する上で、殺人を犯したら悪人とされるのであって、深い人間関係や感情の問題を考慮した時、誰が悪人で誰が普通の人なのか、その基準は極めて曖昧だ。 簡単なハッピーエンドにはせず、バッドテイストな形で終わらせたからには、一部の人には共感を得られないかもしれないが、私にとっては大いに気持ちを揺さぶられ、メッセージ性の極めて強い秀逸な映画であった。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『さんかく』(2010/日本)【監督】吉田恵輔 ★★★★ 小野恵令奈のロリコン的エロさに尽きる一本。この少女をめぐり、周りの大人たちが翻弄される。男女それぞれの恥ずかしい部分や、恋愛における男女の行動パターンを見事に捉えていて、それが随所に描かれている。まるで、男女にまつわる「イタイエピソード」を紡いだ様な流れ。おそらく、普通に恋愛を経験した大人、特に男が観たら、自分のイタイ思い出とリンクして、恥ずかしさや思い出がこみあげてくるに違いない。とにかく、小野恵令奈の小悪魔的なエロさを満喫できるだけでも、観た価値はあった。露出度の高い小野恵令奈の服装、甘ったれたしゃべり方も、この上なく魅惑的で危険に満ちている。個人的には、路上で小野恵令奈がサラリーマン風の男に痴漢されるシーンなどの、ちょっとした演出もまた効果的で印象に残った。 『カミュなんて知らない』(2005/日本)【監督】柳町光男 ★★★ ロバート・アルトマン作品をなぞった様な構成で、オープニングはロングショットでロングカット、そして群像劇という内容。 そして、ルキノ・ヴィスコンティの『ベニスに死す』をパクり、いや、オマージュを捧げた部分もある。 他にも、セリフ上でジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、フリッツ・ラング、ジャン=ピエール・メルヴィル、溝口健二なども出てきたりで、映画好きにはたまらない引用の数々がある。 それはそれで楽しいのだが、内容が薄っぺらいというイメージがどうも拭い去れない。 群像劇の欠点とも言える、散漫な印象が全体に現れてしまっている。 群像劇は、そういった散漫になりがちな映画全体を、登場人物たちを巧みに関連付けていくことにより、面白さを演出するものだと私は個人的に考えているが、どうも本作にはその演出も感じられない。 だが、最後の“劇中劇”のミステリアスさには、舌を巻いた。 圧巻のラスト。 殺人のシーンを劇中劇で見せている。 しかし、殺人のシーンが劇中劇で進むにつれ、次第に“劇中劇”と“劇中”の境目が曖昧になってくる。 観ているこちらも、本当に劇中で殺人が起きているのではないか、とハラハラドキドキさせられる 。 この演出は非常に面白い。 またこの手法も、私が無知なだけで、どこそこの引用かもしれないのがこわいが(笑)。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『バッシング』(2005/日本)【監督】小林政広 ★★★★ ⇒こちらのレビューをご参照下さい。 『Peace ピース』(2010/日本・アメリカ・韓国)【監督】想田和弘 ★★★ 『選挙』で選挙活動に密着して、その裏社会をカメラにおさめた。 更に『精神』では、精神患者にモザイクをかけずに取材し、精神疾患の闇に迫った想田和弘監督。 その想田和弘監督が、今までの2作品で撮ってきた“観察映画”というスタイルの、“番外編”という形で本作を発表した。 この“番外編”という位置付けが観る前からひっかかった。 観た後では、“番外編”というのが、一種の「逃げ」のようにも感じた。 『選挙』での、あのハイテンションと面白さ、『精神』での、あのスキャンダラスで危険な香り、それらと同等のレベルでのパワーが、本作には残念ながら感じられなかった。 思うに、『選挙』と『精神』という2本の“観察映画”が面白かったのは、そのタブーな世界に、果敢に接近戦を挑んだ監督の勇気と気迫が根底に感じられたからである。 “番外編”だから・・・と言われてしまえばそれまでだが、本作には表の世界しか出てこない。 身体が不自由な人、末期がんのご老人。 それらの人を、ストレートにカメラにおさめただけでは、パワーが物足りない。 もちろん『選挙』の面白さ、『精神』のヤバさには遠く及ばない。 というわけで、想田和弘監督には、次回は是非“番外編”とかうたわずに、“観察映画”第3弾として、『選挙』『精神』に匹敵するパワーを持ったドキュメンタリーを撮ってほしい。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 『バッシング』(2005)上映時間:82分 製作国:日本 ジャンル:ドラマ 監督:小林政広 脚本:小林政広 撮影監督:斉藤幸一 出演:占部房子/大塚寧々/田中隆三/香川照之/加藤隆之/本多菊次朗/板橋和士 ◆東京フィルメックス:最優秀作品賞 ***************************************************** 2004年にイラクで起きた日本人人質事件を巡る日本国内での反応をヒントに、中東で人質となった主人公の帰国後の姿を描いた社会派ドラマ。監督は「歩く、人」「フリック」の小林政広。2005年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作。 北海道のとある海辺の町。ホテルでアルバイトをしていた高井有子は、ある日突然クビになってしまう。彼女は中東の戦時国でボランティア活動中、武装グループに拉致・監禁され、人質となった女性。無事に解放され、帰国した彼女には世間からの厳しいバッシングが待っていた。ホテルの支配人も、そんな彼女の存在を持て余し、クビを決断したのだった。しかし、彼女を待っていた不幸はそれだけに止まらなかった。(「allcinema」より。)***************************************************** 作品名の通り“バッシング”されまくる一人の女性を主軸に、その女性が原因でその家族までもがバッシングの対象とされ、悲劇が起こるまでの顛末を描いた、極めてシリアスな家族人間ドラマ。 私の最も好きな「東京フィルメックス」でグランプリを受賞した作品。 この映画祭でグランプリを獲った作品には今のところハズレが無い。 殺伐とした浜辺を眼前にそびえ立つ古びた団地。 そして荒涼とした工業地帯。 地味で地道な仕事に勤しむ人々。 それらの舞台設定が抜群に良く、このシリアスな題材に感情移入できるだけの、良い意味での映像的な「負のパワー」に満ち溢れている。 主人公を演じる女性は、とても自分勝手で、コンビニでわがままをタメ口で言ったり、決して美人とは言えない容姿など、冒頭から嫌悪感を振りまいている。これは序盤から中盤で、この主人公の女性に同情的な感情移入をさせまいとする、計算づくの演出だったに違いない。 その序盤の彼女への印象が、終盤では見事に覆っていく。 いわばコンプレックスを抱えながら、貧しい環境で育ってきた一人の女性が、閉塞的な荒涼とした町の中で、いかに自分の居場所を失っていったか。 それは想像に難くない。 そんな彼女が、海外ボランティアを通して、自分の存在価値たるものを感じたかったと考えるに達するのは至極当然な流れである。 何不自由なく育った人には、他人事にしか思えないだろう内容だが、どこそこかにコンプレックスや居場所の無い孤独感を経験したことのある人なら、本作を鑑賞して、共感をおぼえるに違いない。さすが「東京フィルメックス」のグランプリ作品だけあって、心の深い部分をえぐられたような衝撃を感じた。 これからも「東京フィルメックス」には注目していきたいし、過去の受賞作もできる限り観ていきたいと思う次第である。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『アデュー・フィリピーヌ』(1962/フランス・イタリア)【監督】ジャック・ロジエ ★★★ ⇒こちらのレビューをご参照下さい。 『たぶん悪魔が』(1977/フランス)【監督】ロベール・ブレッソン ★★★★ ロベール・ブレッソン監督作としては、遺作の『ラルジャン』と似た味わい。 その映像たるは、恐ろしいほどに澄み切っていて、透明度が高い。 この美しい映像の中で、ロベール・ブレッソンの手腕が遺憾なく発揮されている。 主人公の男は、これまたおそろしいほどに美青年で、おそらく女性ならこの俳優を観ているだけで楽しめるだろう。 しかし、この主人公は全てにおいて、社会と隔絶した考え方を持っており、ひと癖もふた癖もある人物設定で、実にとっつきにくいキャラである。 ところが、そんなとっつきにくいキャラであるにも関わらず、彼は世の中で居場所を失い苦悩しており、同情に似た共感を観る者に与えてくれる。 美しい映像の中で、美しい青年が、苦悩の果てにその命を散らせていく。 実に破滅的でいて、美しい世界観が展開されていく。 青年は頭も良く外見も良いのに、自ら命を捨てる。 それは絶望の果てに、彼が選択せざるを得なかった唯一の選択肢だった。 人は馬鹿に生まれて外見も悪ければ、不屈の精神で生きる道をさぐるべく生へのモチベーションを得ることもあろうが、この青年のように頭も良くて外見が良いと、逆の道を辿り、破滅死に追い込まれることがある。 どちらの人生が良いのか? どちらに生まれれば幸せなのか? そういった深淵なテーマについて、考えさせられる作品だった。 本作は、ロベール・ブレッソン作品としては、初期の傑作群にはやや及ばないものの、晩年の作品として評価の高い『ラルジャン』に匹敵する作品であると思う。 『チルソクの夏』(2003/日本)【監督】佐々部清 ★★★★★ ⇒こちらのレビューをご参照下さい。 『東海道四谷怪談』(1959/日本)【監督】中川信夫 ★★ かの有名な四谷怪談。 「うらめしや~」 「この恨み、晴らさずでおくべきか~」 などの名文句が聞けただけで満足。 内容は、新東宝色全開で、終始ハイテンションで疲れる。 もちろん、観ていて楽しい気分になる内容でもないし、暑さをしのげるほどの怖さも無い。 だけど、これを私が観ようと思った理由は、小さい頃のトラウマを克服したかったから。 小さい頃と言えば、その作品のクオリティとか関係なく、この手の映画が怖くて仕方なかったものだ。 中でも、この作品は有名で、子供の頃の恐怖の記憶として残っていた。 それを大人になって大人買い、、、ではなく、大人観る(?)してみた。 こうして私は幼少期の恐怖日本映画のトラウマを克服し、やっと立派な大人になれました! 『NANA』(2005/日本)【監督】大谷健太郎 ★★★★★ 中島美嘉の等身大の演技に、歌手としての中島美嘉にはない親近感をおぼえた。 宮崎あおいは、ほんとに巧い。 こういう若いのをいいことに、自分勝手で彼氏を振り回す女のコを演じても、見事にハマっているから凄い。 映画の一部として音楽が効果的に使われているという意味で、既に傑作だと思う。 音響も良く、迫力があって歯切れのいいサウンドが、物語を盛り立てる。 二人のナナが同居するマンションも個性があって非常に魅力的だ。 宮崎あおいの衣装、中島美嘉のメイク、二人の個性の不協和音が功を奏し、良い対比となっている。 男同士の友情とは異なる、女性の友人同士ならではの、少しレズっ気を感じるアブナイ距離感がまた、男の私からすると興味深く面白い。 原作が下敷きとしてあるだけに、ストーリーとしての完成度も高く破綻もない。 特別にスピード感があるわけでもないのに、最後まで飽きさせない内容と、その演出も見事。 おそらく、2000年以降の、青春もの日本映画としては屈指の作品。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 『チルソクの夏』(2003)上映時間:114分 製作国:日本 ジャンル:ドラマ/青春/ロマンス 監督:佐々部清 脚本:佐々部清 撮影:坂江正明 音楽:加羽沢美濃 主題歌:イルカ『なごり雪』 出演:水谷妃里/上野樹里/桂亜沙美/三村恭代/淳評/山本譲二/高樹澪/イルカ(特別出演)/夏木マリ/谷川真理/金沢碧 ◆日本映画監督協会:新人賞受賞/新藤兼人賞受賞 ***************************************************** 70年代後半の下関を舞台に、日韓高校生の淡い恋と友情を描いた青春ドラマ。両国の関係が現代ほど親密でなかった時代を背景に、17歳の日本人女子高生と韓国人高校生が様々な障害を乗り越え、1年後の七夕の再会を夢見る姿を瑞々しくノスタルジックに綴る。監督は自身下関出身でもある「陽はまた昇る」「半落ち」の佐々部清。なお、タイトルのチルソクとは韓国語で七夕のこと。1977年夏。姉妹都市である下関と韓国・釜山は親善事業として関釜陸上競技大会を毎年交互に開催していた。長府高校の陸上部員・郁子は、この年、下関側選手の一人として釜山での大会に出場する。そこで、同じ高跳び競技に出ていた釜山の高校生・安大豪と出会う。帰国前夜、安は戒厳令中にもかかわらず、郁子の宿舎まで会いに来てくれた。郁子はそんな安に淡い恋心を抱き、“来年のチルソク(七夕)に再会しよう”と約束を交わす。携帯もメールもない時代、日韓にまたがる恋は前途多難。それでも郁子の初恋をなんとか実らせようと親友たちも懸命に後押しするのだった…。(「allcinema」より。) ***************************************************** 素晴らしい! 青春映画の傑作!! 青春時代の恋は、人生で最も純粋でいて輝かしい思い出である。その恋は、不器用で経験も少ないから、その分、辛いことも起きる。 相手に気持ちをどう伝えればいいのか? その勇気と決断は? 伝えた後の付き合い方は?勉強やスポーツ、本作においては特に国境と文化の壁。 様々な障壁が立ちはだかる中で、必至に相手のことを想う。 それはとても切なく辛いものではあるが、同時に、人生でもう二度と経験できない甘い記憶が胸に刻み込まれる。 好きな異性とのちょっとした会話、手紙のやりとり、相手の体温、そういった青春時代にしか体験することのできない貴重な瞬間が、この作品には見事なまでに焼き付けられている。 現在がセピア色、青春時代がカラー。この色の使い分けも効果的。 最も輝いていた時代が青春時代であることを映像的にうまく表現している。 思わず観ていて涙してしまった。 映画ではめったに涙が出ないのだが、これには見事に落涙させられた。 心の奥底に眠った青春時代の甘くて切ない思い出を、この見事な青春映画によって、掘り起こされたからに相違ない。 500本に1本くらいしか涙を流す機会が無いので、久しぶりに心を洗われた思いがする。 それと、主演の水谷妃里が何とも言えず魅力的。どこか物憂げな瞳と端正な顔立ちが印象的で、主演としてこの作品を彩るに相応しい女優さんだった。 日韓友好、女性同士の友情、家族の絆、その他さまざまなテーマもよく描かれており、後世に名を残すであろう、青春映画の紛れもない傑作である。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 『アデュー・フィリピーヌ』(1962)上映時間:110分 製作国:フランス/イタリア ジャンル:青春 監督:ジャック・ロジエ 脚本:ジャック・ロジエ/ミシェル・オグロール 撮影:ルネ・マテラン 出演:ジャン=クロード・エミニ/ステファニア・サバティーニ/イヴェリーヌ・セリー/ヴィットリオ・カプリオーリ/ダニエル・デシャン ***************************************************** ヌーヴェル・ヴァーグの代表作とも言うべき青春映画『アデュー・フィリピーヌ』は、フランス初公開から40年を経た今日にいたるまで、日本では劇場公開もテレビ放映もされていない。本DVDのリリースは、事件とさえ言えるだろう。(DVD発売当時の話) 監督はジャック・ロジエ。『アデュー・フィリピーヌ』は、彼の長編処女作であると同時に、畢生の代表作だ。1926年生まれのロジエは、1955年に、ヌーヴェル・ヴァーグを先取りする短編『新学年』を監督、1958年の短編『ブルー・ジーンズ』がゴダールに注目され、彼に製作者を紹介され、本作により長編デビューした。 本作は、主役の三人の若者に素人を起用、商業映画としては実験的な撮影方法のため製作は難航、公開までに紆余曲折があった。興行成績は振るわなかったものの、トリュフォーを含む一部の批評家に絶賛され、ヌーヴェル・ヴァーグ屈指の傑作としての名声を獲得した。 テレビ番組のケーブル移動係の19歳の青年ミシェル・ランベール(ジャン=クロード・エミニ)は、二人のコケティッシュで明るい美少女、リリアーヌ(イヴリーヌ・セリ)とジュリエット(ステファニア・サバティーニ、声の吹き替えはアニー・マルカン)と知り合う。無邪気な彼女たちは同居している親友同士だが、どちらがミシェルをものにするかを競い合う。彼女たちはミシェルにつきまとうが、兵役を間近に控えたミシェルは、どこかさめている。やがて、仕事を辞めたミシェルはコルシカ島に遊びに行くが、二人の女の子は彼を追ってコルシカ島にやってくる…。 (「Amazon.co.jp」より。) ***************************************************** さんざんヌーヴェル・ヴァーグの作品を観てきたが、実はジャック・ロジエ監督の作品は未見だった。 ジャック・ロジエの代表作にして、ヌーヴェル・ヴァーグの代表作でもある本作を、ついに観ることができた!ジャン=リュック・ゴダール30本をはじめ、数々のヌーヴェル・ヴァーグ作品に魅了され翻弄されてきた私とヌーヴェル・ヴァーグとの関わりは、一つの区切りに到達したような気がする。 それだけ本作は、ヌーヴェル・ヴァーグのひな形を観るような、純粋でとっつきやすい青春のふきだまり作品だった。 ![]() ただ、自分の好みのヌーヴェル・ヴァーグ作品というわけではなかった。 フランソワ・トリュフォー作品のように、都会人が都会で闊歩し、男が女をナンパするような作品が好みであるが、本作は、都会人がバカンスに出かけ、そのバカンス先での出来事を主な構成としているからだ。 ひたすらバカンスを楽しむ男女。どこか在りし頃の日活青春映画を想起させる。 主人公の男は男前。 んでもって、その男とつるむ女二人はそれなりだ。 内容もバカンスを描いた部分がメインで、少々疲れを感じる。 そうだ!最近、自分がバカンスしてないからだ。 だから、疲れるんだ。 私は都会に生活し、都会の中で楽しいものはないかと、いつも鼻をクンクンとしている。そういう香りのするヌーヴェル・ヴァーグ作品が大好きであって、本作のようなバカンス色の強い作品は、逆に疲れてしまうのだった。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】
【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『儀式』(1971/日本)【監督】大島渚 ★★ “ATG×大島渚”という組み合わせによる個性が、爆発しまくった作品。 この頃の大島渚監督の映画に共通する「密閉感」「風変り」「モノクロの寒々しい映像」などの特徴が、本作にも十分感じられる。 そういう個性を感じられたの良かったのだが、理屈抜きにつまらない! なんというか、尺が長い上に、表現している内容が同じことの繰り返しというか。 血筋による因果、悪しき風習など、テーマは面白いが、全体的に平坦な内容で、正直なところ、後半は飽き飽きしてしまった。 それにしても、大島渚監督の作品における、戸浦六宏、小松方正、渡辺文雄の3人は、本作でも「大島3兄弟」として異彩を放っていた。 『運ちゃん物語』(1956/日本)【監督】天野信 ★★★ 1956年製作だが、それより一時代前の古臭さを感じる作品。 だがそれは良い意味での古臭さであって、まるで1930年代の清水宏監督作品を観ているかのような、ほのぼのとした人情劇である。 なんというか現代の様な、複雑でドロドロとした人間関係などは、そこには存在せず、劇中の人物たちは皆、純朴であり人間味豊かである。 コメディタッチな部分もある作品だが、決してどんちゃん騒ぎの悪ノリ的なコメディ劇ではなく、登場人物ひとりひとりの人間性が情感豊かに描かれており、好感が持てる。 この作品が作られた時代以降、日本映画は様々な意味で進展を遂げる。 しかし、こんなに素朴でいて素敵な日本映画を観てしまうと、日本映画の進展と共に失われてしまった大事な「何か」に気づかされる。 その何かとは、人間同士の素朴な心の交流である。 本作は、お気楽で楽しいだけの映画ではなく、時代を超えた日本人としての純朴さ、優しさみたいなものも教えてくれる素敵な日本映画である。 『シュリ』(1999/韓国)【監督】カン・ジェギュ ★★★ アジアンクライムアクションムービーでもって、ラブストーリー。 この手の映画って、香港あたりに作らせると、抜群に面白くて映像も綺麗で、優れた作品が多い。 本作は韓国の映画だが、どうもパっとしない。 アクションシーンは、臨場感を溢れさせるためにカメラを揺さぶってるのかもしれないけれど、その分、リアリティが欠如し、そもそも何がどうアクションしてるのかが分かりづらくて仕方ない。 ストーリーも特段に練られた犯罪劇というほどでもない。 朝鮮半島分断の悲劇をテーマにしているが、そのテーマの掘り下げが甘い。 特に、『ピョンヤン・ダイアリー』や『ディア・ピョンヤン』辺りのドキュメンタリーを観てしまっていると、余計に軽く感じてしまう。 そんな中にあって、終盤にかけての色恋沙汰は唯一みどころがあった。 北朝鮮工作員としての任務を遂行しなければならない義務感と、一人の女性として大韓民国の男性を好きになってしまったという心の葛藤が、とてもよく描かれている。 アクションはアメリカ、アジアンクライムサスペンスは香港に任せておき、朝鮮半島分断という大きなテーマをもっと掘り下げ、そこに韓国が得意とするラブストーリー色を全編に絡めれば、傑作になったに違いない。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『リリイ・シュシュのすべて』(2001/日本)【監督】岩井俊二 ★★ 岩井俊二監督の作品は、好きなものもあるが、どうも肌に合わないものがほとんどらしい。 そんな中で、この作品を鑑賞した理由は、“リリイ・シュシュ”という音楽ユニットと、ちょっとした因果があったからである。 リリイ・シュシュは、小林武史がプロデュースしたグループ。 知人がそれに少し関与していて、世に売り出す前に存在を知っていたグループだった。 ちなみに、プロモーションCDも持っていた。 商業的な趣きがプンプンと臭う映画であり、儲けるためにつくった映画を楽しむというのは、やはり私には全くもって無理な話で、しかも、リリイ・シュシュの音楽に共感できなかった私としては、なおのこと辛い。 ただ、岩井俊二の役者の卵を発掘する能力は認めざるを得ない。 蒼井優と市原隼人を発掘したが、現在の活躍をみるにつけ、強くそう思う。 さて、本作で“エーテル”という単語が連発されるが、『20世紀ノスタルジア』を思い起こしてしまうのは私だけだろうか? 広末涼子と一緒に出ていたあの野郎の、「エーテル体♪エーテル体♪」という気色の悪いフレーズが頭をよぎってしまった。 『g@me.』(2003/日本)【監督】井坂聡 ★★★★ とにかくドンデン返しの連続。 最後まで飽きさせないとも言えるし、やりすぎとも言える。 でも、ここまでひっくり返しまくれば、結局は元に戻る。 つまり、二人は離れ離れになる。 その締め方が巧い。 『真夜中のカーボーイ』(1969/アメリカ)【監督】ジョン・シュレシンジャー ★★★ 女を相手に売春して都会で儲けようと田舎から出てきた青年。 この甘い考えは、すぐに夢と消える。 都会で待っていたものは、孤独であった。 都会に向かうバスの中で、青年はラジオに耳を傾けながら、甘い夢を見ている。 この時に流れる音楽もそれを盛り立て、観ているこちらもわくわくしてくる。 だが、都会で待っていたものは、これ以上なく辛い現実だった。 その描写があまりに現実的で、こちらも気分が滅入ってくる。 そんな孤独な都会で、一人の男と知り合い、そこに友情が生まれる。 しかし、その友人も病に倒れてしまう。 なんとも救いようのない話で、ハッピーな気持ちになれないのが難だが、肉体労働で地道に稼ぐことを決心した青年が、最後でちょっとした希望を見せてくれた。 都会を目指した青年の孤独と希望を描いた、ロードムービー的要素を併せ持つ、ほろ苦い青春ドラマの名作。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品 ★★★★★・・・深い印象を残した傑作 ★★★★・・・十分に満足できた作品 ★★★・・・普通に楽しめた作品 ★★・・・不満の残った作品 ★・・・何らかの苦痛を強いられた作品 ******************************************** 『スウィート・シンフォニー』(1997/香港)【監督】イップ・カムハン ★★★ ポップなナンバーが不思議に心地良い、香港発のラブストーリー。 6人の男女が織りなす、くっついては離れのラブストーリーは、スピード感はあるものの、陳腐過ぎる内容。 話の内容も都合が良すぎるし、その演出も恥ずかしくなるくらいありふれたものである。 しかしながら、香港ならではの風景とポップな音楽は、否定しがたく魅力的で、陳腐でありながら嫌いになれない何かを感じる作品だった。 個性あふれる女優陣も捨てがたい。 でも何と言っても、本作の最大の魅力は、その軽快な音楽にあるだろう。 どれもどこかで聴いたことのある曲ばかりだが、香港映画は良い意味で音楽のパクリ方、いや、音楽の引用の仕方が巧い。 オリジナルな楽曲でなくても、それがその映画にマッチしていれば、それはそれで良しと思う。 『Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン』(2005/日本)【監督】ヤン・ヨンヒ ★★★★ ⇒こちらのレビューをご参照下さい。 『ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー』(1981/アメリカ)【監督】マイケル・マン ★★★ ハードボイルドな雰囲気が漂い、小道具を使っての金庫破りなど、興味をひく部分はあった。 しかし、音楽はダサさ全開だし、どうにも話がくだらない。 そして主人公をカッコよく見せすぎなのが、観ていて恥ずかしくなる。 独りよがりな勘違い男の映画を観ている感じだった。 『秋菊の物語』(1992/中国・香港)【監督】チャン・イーモウ ★★★★ 人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。 夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。 本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。 人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。 組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】 『Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン』(2005) 上映時間:107分 製作国:日本 ジャンル:ドキュメンタリー 監督:ヤン・ヨンヒ 脚本:ヤン・ヨンヒ 撮影:ヤン・ヨンヒ ◆ベルリン国際映画賞:最優秀アジア映画賞 ◆サンダンス映画祭:審査員特別賞 ◆山形国際ドキュメンタリー映画祭:特別賞 ***************************************************** 日本で生まれ育ったコリアン2世の映像作家ヤン・ヨンヒが、朝鮮総連の幹部として自らの一生を“祖国”に捧げる父親の姿を10年間に渡って記録し続けた感動ドキュメンタリー。ヤン・ヨンヒ監督は4兄妹の末っ子として生まれた。3人の兄は30数年前に“帰国”した。人一倍家族思いの両親が、なぜ息子たちを“祖国”に送ったのか。監督は、優しい父とその政治的信念に違和感を抱きながらも、それを理解しようと父にカメラを向けた。映画は、ユーモラスな丁々発止を繰り広げる父と娘の対話を軸に、近くて遠い二つの国に生きる家族の真実の姿を描き出すとともに、容易に埋まらない父娘の溝と決して揺らぐことのない確かな絆を浮かび上がらせていく。(「allcinema」より。)***************************************************** 北朝鮮を支持する団体の幹部であった父と、日本で在日として生まれ育った娘。二人の間には、思想という点で、どうしても埋められない溝があった。 それは、どんなに父娘が愛し合っていても、埋められない溝だ。 日本で北朝鮮の思想活動を人生を賭けて行ってきた父親だが、老齢になり活力も失われつつあった。そんな父親に、娘が「韓国籍」を取ってもいいか、と質問するシーン。 娘に幸せになってもらいたいという思いが頭をもたげ、韓国籍になることを許す言葉をひねり出す。 北朝鮮の思想を生涯信じ続けてきた男としての父親と、愛する娘の幸せを願う父親とが交錯し、葛藤するシーンだ。 父親は誰だって、娘に幸せになってもらいたいと心の底から願っている。だけど、どうしても譲歩できない部分がある。 そんな葛藤から意を決してひねり出した言葉が、娘に韓国籍になることを許す言葉だった。 娘を持つ父親なら、感情移入できる部分に違いない。 それと、本作は北朝鮮の風景や人間たちを映像に残しているという部分でも、非常に貴重な作品である。ピョンヤンの映像を撮った監督の勇気に敬服する。 個々の人間がそれぞれに持つ思想や価値観。 それを上回るものは、親の子供に対する愛情であった。 あらゆる試練や苦難を乗り越えてきた一人の男の、死に瀕するまでの過程を描いたドキュメンタリーで、人間の生き様、人間の業というものを深く考えさせられる作品であった。 ★参照★ 【作品レビュー目次】 【お気に入り映画一覧】 【浅野忠信 作品リスト】
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『
2009年の本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラーを「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督、「ヴィヨンの妻」の松たか子主演で映画化した戦慄のエンタテインメント復讐劇。とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言するのだった。その後、森口は学校を辞め、事情を知らない熱血教師のウェルテルこと寺田良輝が新担任としてクラスにやってくるが…。(「TSUTAYA online」より。)
冒頭でいきなり、殺された幼児の母親である松たか子が、殺人事件の顛末を「告白」し、それから関連人物が次々に事件にまつわる枝葉を「告白」していくという、異色の構成。
ただどうだろう、とびぬけて傑作かと聞かれたら、そうでもないと答えてしまうだろう。
総じて面白く、同年に製作された「悪人」と賞を競り合っただけのことはあった。
『
芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを「涙そうそう」の妻夫木聡と「博士の愛した数式」の深津絵里主演で映画化したヒューマン・ミステリー・ドラマ。長崎の漁村で孤独な人生を送り、ふとしたことから殺人者となってしまった不器用な青年と、そんな男と孤独の中で出会い許されぬ愛に溺れた女が繰り広げる出口のない逃避行の顛末を、事件によって運命を狂わされた被害者、加害者それぞれを取り巻く人々の人間模様とともに綴る。共演は満島ひかり、岡田将生、樹木希林、柄本明。監督は「フラガール」の李相日。
人間は大切な人がいる場合、その人のことを妄信的に愛する。
悪人であるか否かの基準として、社会的規範に反する、例えば本作の様な殺人を犯した人間が悪人だとする見方がある。
もし自分の愛娘を殺されたりもしたら、その娘がたとえどんな人格だとしても、私は殺した人間を絶対許さないし、場合によっては犯人を捜し出し、殺してしまうかもしれない。



『
北海道のとある海辺の町。ホテルでアルバイトをしていた高井有子は、ある日突然クビになってしまう。彼女は中東の戦時国でボランティア活動中、武装グループに拉致・監禁され、人質となった女性。無事に解放され、帰国した彼女には世間からの厳しいバッシングが待っていた。ホテルの支配人も、そんな彼女の存在を持て余し、クビを決断したのだった。しかし、彼女を待っていた不幸はそれだけに止まらなかった。(「allcinema」より。)
主人公を演じる女性は、とても自分勝手で、コンビニでわがままをタメ口で言ったり、決して美人とは言えない容姿など、冒頭から嫌悪感を振りまいている。
何不自由なく育った人には、他人事にしか思えないだろう内容だが、どこそこかにコンプレックスや居場所の無い孤独感を経験したことのある人なら、本作を鑑賞して、共感をおぼえるに違いない。




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70年代後半の下関を舞台に、日韓高校生の淡い恋と友情を描いた青春ドラマ。両国の関係が現代ほど親密でなかった時代を背景に、17歳の日本人女子高生と韓国人高校生が様々な障害を乗り越え、1年後の七夕の再会を夢見る姿を瑞々しくノスタルジックに綴る。監督は自身下関出身でもある「陽はまた昇る」「半落ち」の佐々部清。なお、タイトルのチルソクとは韓国語で七夕のこと。
青春時代の恋は、人生で最も純粋でいて輝かしい思い出である。
伝えた後の付き合い方は?
現在がセピア色、青春時代がカラー。
それと、主演の水谷妃里が何とも言えず魅力的。
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テレビ番組のケーブル移動係の19歳の青年ミシェル・ランベール(ジャン=クロード・エミニ)は、二人のコケティッシュで明るい美少女、リリアーヌ(イヴリーヌ・セリ)とジュリエット(ステファニア・サバティーニ、声の吹き替えはアニー・マルカン)と知り合う。
ジャック・ロジエの代表作にして、ヌーヴェル・ヴァーグの代表作でもある本作を、ついに観ることができた!
ひたすらバカンスを楽しむ男女。
私は都会に生活し、都会の中で楽しいものはないかと、いつも鼻をクンクンとしている。









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日本で生まれ育ったコリアン2世の映像作家ヤン・ヨンヒが、朝鮮総連の幹部として自らの一生を“祖国”に捧げる父親の姿を10年間に渡って記録し続けた感動ドキュメンタリー。ヤン・ヨンヒ監督は4兄妹の末っ子として生まれた。3人の兄は30数年前に“帰国”した。人一倍家族思いの両親が、なぜ息子たちを“祖国”に送ったのか。監督は、優しい父とその政治的信念に違和感を抱きながらも、それを理解しようと父にカメラを向けた。映画は、ユーモラスな丁々発止を繰り広げる父と娘の対話を軸に、近くて遠い二つの国に生きる家族の真実の姿を描き出すとともに、容易に埋まらない父娘の溝と決して揺らぐことのない確かな絆を浮かび上がらせていく。(「allcinema」より。)
北朝鮮を支持する団体の幹部であった父と、日本で在日として生まれ育った娘。
日本で北朝鮮の思想活動を人生を賭けて行ってきた父親だが、老齢になり活力も失われつつあった。
父親は誰だって、娘に幸せになってもらいたいと心の底から願っている。
それと、本作は北朝鮮の風景や人間たちを映像に残しているという部分でも、非常に貴重な作品である。