古今東西の名作・傑作をジャンルを問わず貪欲に鑑賞しています。オススメな作品のご推薦、コメントも大歓迎です!
by nijibabu
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Profile
◆なまえ
にじばぶ
◆性別

◆出身地
東京都下
◆現住所
東京都下

◆好きな映画監督
成瀬巳喜男
溝口健二
石井輝男
川島雄三
ペンエーグ・ラッタナルアーン
トラン・アン・ユン
ミケランジェロ・アントニオーニ
ピエル・パオロ・パゾリーニ
ジャン・ユスターシュ
ジム・ジャームッシュ
ウォン・カーウァイ(王家衛)

◆好きな映画作品
★10点満点(順不同)
地球で最後のふたり
ナイト・オン・ザ・プラネット
太陽はひとりぼっち
キッズ・リターン
恋する惑星
ピクニック(1936)
乱れ雲
★9点(順不同)
[Focus]
ダウン・バイ・ロー
新・仁義の墓場
都会のアリス
網走番外地
ぼくの小さな恋人たち
他人の顔
ニュー・シネマ・パラダイス
祇園囃子
残菊物語(1939)
穴(1960)
ビューティフル・デイズ
幕末太陽傳
ある殺し屋
飢餓海峡

街の灯(1931)
晩菊
誓いの休暇(1959)
妻は告白する
眼には眼を
月はどっちに出ている
ゆきゆきて、神軍
モダン・タイムス
恐怖の報酬(1953)
君と別れて
劇場版 フランダースの犬
幸福の黄色いハンカチ
パイラン

◆好きなシリーズ映画
STAR WARS
男はつらいよ

◆お気に入り
【俳優】
浅野忠信
アラン・ドロン
レスリー・チャン
金城武
成田三樹夫
市川雷蔵
フランキー堺
池部良
内田裕也
【女優】
モニカ・ヴィッティ
デルフィーヌ・セイリグ
アヌーク・エーメ
ヘレン・ハント
ケリー・チャン
フィオナ・シッ
グイ・ルンメイ
木暮実千代
香川京子
橘ますみ
司葉子
杉葉子
佐藤友美
中山忍
原田知世
椋木美羽
【スポーツ選手】
レノックス・ルイス
ハリド・ハヌーシ
ヒシャム・エルゲルージ
坂本直子
【東京23区】
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品川区東五反田5丁目
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【建物】
同潤会アパート
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【乗り物】
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カフーを待ちわびて
c0073737_23525025.jpgカフーを待ちわびて(2009)

上映時間: 121分
製作国: 日本
ジャンル: ロマンス

監督: 中井庸友


原作: 原田マハ
脚本: 大島里美
音楽: 池頼広
出演: 玉山鉄二マイコ
勝地涼/尚玄/瀬名波孝子/宮川大輔/ほんこん/伊藤ゆみ/白石美帆/高岡早紀/沢村一樹

*****************************************************
 第1回日本ラブストーリー大賞を受賞した原田マハのデビュー小説を「手紙」の玉山鉄二と「山のあなた 徳市の恋」のマイコ主演で映画化した癒し系ラブストーリー。沖縄の小さな島を舞台に、奇妙な出会いで始まった一組の男女の恋の物語をやさしいタッチで綴る。監督は「ハブと拳骨」の中井庸友。タイトルの“カフー”とは、島の言葉で“果報”、“幸せ”の意味。
 沖縄の離島で雑貨店を営む青年・明青(あきお)は、愛犬のカフーとのんびりした毎日を送っていた。そんなある日、一通の手紙が届く。それは、以前明青が縁結びの名所という神社を訪れたときに冗談半分で“嫁に来ないか。幸せにします”と書いた絵馬を見た幸(さち)という女性からのもので、自分を嫁にしてほしい、というものだった。そして数日後、長い髪の美しい女性・幸は本当に明青の前に現われるのだが…。
(「allcinema」より。)
*****************************************************

新宿のバルト9で、上映開始時刻を勘違いしてロードショーを逃して以来、待ちに待った鑑賞。
まさに『カフーを待ちわびて』を待ちわびてました。


c0073737_23561490.jpg沖縄の今帰仁村で、むさくるいヒゲを生やし、髪は長くてボサボサ、仕事もせずにニート状態のうだつの上がらない玉鉄の元に、まるでシマンチュの夢を実現すべく、ナイチャーのこの上ない美人が突然やってくる・・・


とまあ、沖縄ボーイの幻想と妄想と夢を実現してくれる、沖縄ボーイにとってはまさに夢のひとときに酔いしれることができそうな内容だが、そのまるで逆の立場、つまりは、沖縄が好きなナイチャーである私には、感情移入がしずらかったのが残念ではある。


c0073737_23563197.jpgでも、主演女優のマイコは、スレンダーながら、出るところ、つまりは胸とお尻が出ていて、腰のクビレは十分で、髪の毛もすこぶる綺麗で、服装も色っぽく、肌は透ける様な色白で、文句ナシの美人であります。

こんな女性がいきなり家にやってきたら、うだつが上がっていようといまいと、男なら誰しもが溺れてしまうことでしょう。


舞台が元々綺麗な沖縄なので、その点を考慮すると、もう少し綺麗に撮れなかったかな、と多少の不満は残るものの、それでも沖縄独特の風土と文化、雰囲気などは満喫できるレベルの映像である。


c0073737_23585085.jpgストーリーは、ほどほどといったところだが、ラストのお約束的な再会シーンは、期待を裏切らず、健やかな気分で観終えることができる。

沖縄やマイコといった良い素材を活かしつつ、無難なストーリーでまとめ上げているので、十分満足できる作品に仕上がっている。


でも、変に裏のあるストーリー設定にするより、玉鉄とマイコの二人だけの時間の流れを、沖縄の自然と文化をふんだんに使いながら、ゆっくりと進行していった方が、万人には好まれずとも、沖縄映画として日本映画史に残る傑作となり得たと思うだけに、残念ではあった。

c0073737_23575068.jpg




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浅野忠信 作品リスト
 

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by nijibabu | 2009-12-27 23:59 | ◆映画レビュー | Comments(4)
最近観た映画(2009.12.24)
【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品
★★★★★・・・深い印象を残した傑作
★★★★・・・十分に満足できた作品
★★★・・・普通に楽しめた作品
★★・・・不満の残った作品
★・・・何らかの苦痛を強いられた作品
********************************************

c0073737_2259212.jpg『ニッポン国 古屋敷村』(1982/日本)
【監督】小川紳介
★★★★

こちらのレビューをご参照下さい。


c0073737_230488.jpg『ニンフ』(2009/タイ)
【監督】ぺンエーグ・ラッタナルアーン
★★★★

こちらのレビューをご参照下さい。


c0073737_2321242.jpg『忘れじの面影』(1948/アメリカ)
【監督】マックス・オフュルス

観やすいロマンス映画なのだが、特段面白くもないし、余韻も残さない。 記憶に残らないであろう映画。 ヒロインを演じた女優が、自分的好みに合わず、それが実は致命傷だったりして。


c0073737_2355716.jpg『ピロスマニ』(1969/ソ連)
【監督】ゲオルギー・シェンゲラーヤ
★★★
ピロスマニは実在した画家だったんですねぇ。 巧い画ではないのかもしれないが、グルジアの人々の生活が生々しく伝わってくる生きた画であった。 映画そのものについて言えば、ピロスマニという画家についてあらかじめ知っていた方が断然楽しめるかと思う。 やや暗めの映像がかもし出す雰囲気は、まさに絵画的で、寒々しいグルジアの風景と相まって、異国情緒をたっぷり堪能できる作品である。


c0073737_2373813.jpg『ルアンの歌』(1998/中国)
【監督】ワン・シャオシュアイ
★★
ストーリーに深みもなく、面白味も足りない。 青年目線で描いた、大人の世界といった内容だが、ただそれだけを淡々と見せられても、あくびが出るだけだ。 中国映画の凡作を発掘してしまった気がする。


c0073737_23101180.jpg『精神』(2008/日本・アメリカ)
【監督】想田和弘
★★★★

こちらのレビューをご参照下さい。


c0073737_2312018.jpg『流星』(1999/香港)
【監督】ジェイコブ・チャン
★★★
レスリー・チャンの魅力に頼り過ぎの感、大アリ。 作品全体に吹く風は、まるでテレビドラマの様。 晩年のレスリーの儚げな魅力がプンプンと匂う。 ただそれだけで胸が一杯になる。


c0073737_23162268.jpg『マカロニ』(1985/イタリア)
【監督】エットーレ・スコラ
★★★
初老男性二人の奇妙な友情を描いた人間ドラマ。 二人の会話はそれなりに楽しめるが、どうも話として軽いというか、最後なんて特にメルヘンすぎる。 洒脱さを楽しめれば良いのだろうが・・・




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by nijibabu | 2009-12-24 23:17 | ◆映画関連 その他 | Comments(2)
今年もやります!2009年下半期鑑賞映画オールランキング
さて、2009年も残すところあとわずか。
今年もこの時期がやってまいりました!

半年間に鑑賞した全ての映画を、無帽にも全てランキングづけしてしまおうという、当ブログの恒例企画。
今回で6回目となります。

年が明けて早々にも発表する予定です。
ご期待下さい!

管理人
にじばぶ



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by nijibabu | 2009-12-24 22:50 | ◆映画関連 その他 | Comments(0)
精神
c0073737_22223675.jpg精神』(2008)

上映時間: 135分
製作国: 日本/アメリカ
ジャンル: ドキュメンタリー

監督: 想田和弘

製作: 想田和弘
撮影: 想田和弘
編集: 想田和弘
製作補佐: 柏木規与子
録音: 想田和弘

*****************************************************
 “観察映画”と銘打ち、ナレーションや音楽を一切排して対象を描ききった「選挙」の想田和弘監督が、観察映画第2弾として、“こころの病”を抱えた人々にカメラを向けたドキュメンタリー。山本昌知医師が代表を務める外来の精神科診療所“こらーる岡山”にカメラを据え、様々な理由でそこにやって来る患者たちの悲喜こもごもの人間模様をありのままかつ真摯に見つめ、山本医師の地道な活動の様子ともに、一般にタブー視されがちな精神病についての偏見や壁を取り払いつつ、改めて観る者にその考える材料を提供していく。
(「allcinema」より。)
*****************************************************

c0073737_22244885.jpg広い意味での精神病(統合失調症を含み、神経症、うつ病、PTSDなどのあらゆる精神疾患)患者の、診察風景や病院内での様子を、「観察」と称して患者の顔にモザイクもかけずに撮りあげたドキュメンタリー。


その赤裸々な内容は、監督自身が主張している通り、「健常者と精神病者との間のカーテンを取り払う」という意味における意義は果たしているかとは思うが、それ以上に、結局は精神病者を特異な素材として扱ってしまい、逆に精神病者に対する偏見をも増幅させてしまったのではないだろうか。

その功罪たるは、十分に話題性があるものの、監督自身の真の意図が何だか曖昧なのではないか?とか、単に好奇心を満たす為だけに撮ったのでは?と疑念がわいてしまった。

実際に、映像の中でも、患者が逆に監督に対して「この映画の意図は何ですか?」と質問もしていた。


c0073737_22235161.jpg監督は、「観察」映画と考え、余計なナレーションや恣意性を排して、ひたすら精神病者という被写体をカメラにおさめたのだろうが、それが当の精神病者にとってプラスになっているとは言い難い気がした。


観ている観客が、精神病者に対して十分な知識を持っている人ばかりなのなら、この撮影スタイルで問題はない。

しかし、「健常者と精神病者との間のカーテンを取り払うのが目的」と明言している以上、精神病について啓蒙する様なナレーションを効果的に入れる必要性があったんじゃなかろうか。

観ている者が、精神病に関して素人だったとしても、偏見を増大させることなく安全にこの作品を観ることができただろうに思う。


「ありのままを映像で見せる」ということは、他の題材に関してなら有効だろうが、殊に“精神病”に関しては、この上なく危険なスタイルであると言わざるを得ない。


c0073737_22251221.jpgしかしながら、医療に従事する私としては、個人的に非常な関心を持って観ることができたし、新たに知ることができた一面もあったので、全くもってマイナスなドキュメンタリーだとは思わない。

マイナスな要素と、色んな意味でのリスクを伴った、その功罪の是非を問うべき問題作であろう。




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by nijibabu | 2009-12-21 22:25 | ◆映画レビュー | Comments(2)
ニンフ
c0073737_22294820.jpgニンフ』(2009)

上映時間: 94分
製作国: タイ
ジャンル:
ドラマ/ファンタジー/ホラー

監督/脚本:
ペンエーグ・ラッタナルアーン

*****************************************************
 ビジネス・ウーマンのメイは、冷えた関係となっているカメラマンの夫にキャンプへ連れて来られるが、夫は姿を消してしまう…。神秘的な深い森を背景に、不条理なドラマが展開される。カンヌ映画祭「ある視点」で上映。
(「TOKYO FILMeX」作品解説より。)
*****************************************************

有楽町の映画館まで、ペンエーグ・ラッタナルアーン監督の新作を観てきた。

まさに待望だった、ペンエーグ監督の新作鑑賞である。


作品名は『ニンフ』。

たしか精霊とか、そういう感じの意味だったはず。


オカルト的な作品であることは分かってはいたが、これが奇想天外が過ぎる内容で、タイ特有の思想文化に対して理解がないので、ついていくのがなかなか苦しかった。


タイ映画というと、意外と神秘的なテーマを題材に扱った作品が多く、そういう作品は少し苦手だったのだが、本作はまさしくその神秘的なテーマをメインに据えた内容で、後半は特に混乱をきたすほどの突飛な内容だった。


それでも、ペンエーグ監督が大好きだから、何とかついてはいけたが、そうでない人はどう感じたんだろう。

そういう意味でも周囲の観客がどう感じていたか少し気になった。


さて、本作の最大のインパクトは、冒頭にステディカムで延々と森林の中を移動し続ける部分ではないだろうか。

ペンエーグ監督作品ならではの幻想的な音楽が背後に流れつつ、森林の中をじわじわじわじわと動き進んでいく。

これは、何とも不思議な味わいで、他では観たことのないオープニングだった。

これからして、改めてペンエーグ監督の天才ぶりを感じた。


c0073737_22331359.jpg先にも書いたように、タイの伝統的思想が背後にある神秘的なテーマを扱った作品だけに、入り込むのが難しく、ややクドイ印象も受けたが、それでも終始映像の美しさと音楽だけで見せてしまうだけの魅力を感じられる作品だった。


ヒロインの女性も、とっても魅力的で、特にスレンダーな肢体と豊満な胸の谷間を、露出の高いキャミスタイルで披露してくれたのは嬉しかった。


でも、この作品を今日映画館で観て、一番強く感じたことは、映画館のスクリーンで、“Pen-Ek Ratanaruang”の文字を観ることができるだけで大興奮であり、それだけで十分満足であるということだ。




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by nijibabu | 2009-12-17 22:33 | ◆映画レビュー | Comments(2)
ニッポン国 古屋敷村
c0073737_024983.jpgニッポン国 古屋敷村』(1982)


上映時間: 210分
製作国: 日本
ジャンル: ドキュメンタリー



監督: 小川紳介c0073737_093036.jpg

製作: 伏屋博雄
撮影: 田村正毅
音楽: 関一郎


*****************************************************
 “三里塚“ものなど、ユニークなドキュメンタリーを撮り続ける小川プロの作品。小川プロがユニークなのは、撮影対象となる地に何年も根をおろし、農民とともに暮らし生活する中から、映画を撮っていくという点にある。1980年の夏、東北地方を冷害が襲った。山形県上山市で共同生活をしながら、稲作のドキュメンタリーを撮影中だった小川プロの一行は、古屋敷村に赴き、冷害の原因を究明しようとする。一行はミニチュアを作ったり、観察記録を作ったりして、冷害と稲の関係を科学的に検証していく。と同時にカメラは古屋敷村に生きる農民の姿を、いきいきと活写する。字幕スーパー付きの、おわり婆さんが語り出す、不思議な体験談は抱腹絶倒のおかしさだ。(「ぴあ映画生活」より。)
*****************************************************

前半の稲穂と田んぼに関する徹底検証。

これがまた物凄く手がこんでいて、やたらにリアルな模型や、丁寧な仕事で作り上げた図表などが次々と出てくる。
もう稲穂の話なんてどうでも良くて、その説明に使われる小道具に目がいってしまった。

ただ、この稲穂に関する検証は、同じく小川紳介監督の『1000年刻みの日時計 牧野村物語』で散々しつこく見せられた経験があるので、観ていて何ら新鮮さもなく、しかも延々と冒頭から1時間くらいかけて語られるものだから、苦痛以外の何物でもなかった。


c0073737_072147.jpgようやく苦痛の稲穂解説パートが終わると、村人たち個々人の生活や昔話の取材へと趣きが変わる。
ここからが面白い。

村人たちの話は、昔話ながら実に新鮮で、私が見聞きしたことのないような話を、昨日のことのように実感をこめてカメラに語りかけてくる。

c0073737_083460.jpg辛かった炭焼きの仕事の苦労話や、蚕で生計を立てるまでの話、村が盛っていた頃に村をあげて行われた花火大会の話、戦争の体験談など、次々と出てくるエピソードは聞いていて実に重みのあるものだった。


200分を超える為、途中しんどくもなったが、観終えた後の気分たるや、映画を観て久しぶりに得られた満足感であった。




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by nijibabu | 2009-12-15 00:12 | ◆映画レビュー | Comments(12)
最近観た映画(2009.12.11)
【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品
★★★★★・・・深い印象を残した傑作
★★★★・・・十分に満足できた作品
★★★・・・普通に楽しめた作品
★★・・・不満の残った作品
★・・・何らかの苦痛を強いられた作品
********************************************

c0073737_043388.jpg『レスリー・チャン 君の瞳に恋してる』(1985/香港)
【監督】レイモンド・ファン
★★★★

こちらのレビューをご参照下さい。


c0073737_0485866.jpg『レスリー・チャン あの日にかえりたい』(1985/香港)
【監督】ガイ・ライ
★★
この頃の青春モノ香港映画って、底抜けな明るさというか、一時代前の懐かしさというか、気軽に楽しめる感じとか、そういう見方をしているので、それほどシビアな目で観る気はさらさらないんだけど、これはさすがにヒドかった! ショボイ音楽やダサさ全開のファッションとかはまだ楽しめるとしても、展開がお粗末で突飛なのには閉口した。 しかも女性陣が全く魅力なし! レスリー・チャンも晩年の頃のような気風も感じられない。 ラストが特に酷い。 悪役の殺し屋をやっつけて、はい終り!なんだけど、なんのヒネリもなく悪役をやっつけて映画は終ってしまった。 これには置いてきぼりをくった様な気分になった。 別に古臭くても、ダサくてもいいんだけど、投げやりで雑な脚本はどうもなぁ・・・ 一生懸命さと、緻密さが感じられる脚本なら、もっと好感を持って楽しめたんだろうけど、これは何ともお粗末としか言いようがない。


c0073737_0502676.jpg『巴里の屋根の下』(1930/フランス)
【監督】ルネ・クレール
★★
平和なフランスの、古き良き時代の雰囲気が感じられて、幸せになれる良い作品だが、なんでか知らないが異常に眠かった。 良い作品なんだけど、何故だか眠い。 いや、退屈。 それが私とルネ・クレール監督の相性か。 『巴里祭』も同様の感じだった。


c0073737_0551877.jpg『ただいま』(1999/中国・イタリア)
【監督】チャン・ユアン
★★★
ちょっとした過ちが、殺人につながり、そしてそれが一人の女性の人生を奪ってしまった。 何とも哀しい話だ。 哀しい話だけで終わってしまうところが、この作品の最大の難点。 悲劇があったとして、悔い改めてこれからの生活を前向きにいこうとか、何らかの希望や、温かい何かがあっていいはずなのに、それがまったく見えてこない。 単なる悲劇で終わっている。 ただ哀しい話で終わらせず、そこへのプラスアルファ、つまりは、何か観ていて得られるものが欲しかった。 テーマとしては、深くて重みがあっただけにもったいない。


c0073737_1124440.jpg『三里塚 辺田部落』(1973/日本)
【監督】小川紳介

もっと過激な成田闘争を期待していた。 やぐらに篭城し、国家と闘う激しいドキュメンタリーを。 三里塚シリーズの他のものでそれを観てみたいと思う。 とりあえず本作は、聞きづらい方言での村人のグチを、延々と聞かされているような感じだった。 しかし、本作の様な貴重なドキュメンタリーを、毎度ながら上映してくれる川崎市民ミュージアムには、ほんと感謝! でも、家から片道1時間半かかるのは辛かった。 帰りは真冬で雨がパラつく中を、一人とぼとぼと武蔵小杉駅まで歩いた。 次は、もっと過激な成田闘争を、本シリーズの別の作品で観るぞ、と心に思い馳せながら・・・


c0073737_122716.jpg『熱帯魚』(1995/台湾)
【監督】チェン・ユーシュン
★★
冒頭に登場するコミカルな子供二人。 安っぽいアニメちっくなCG。 そして、誘拐犯が誘拐された子供の受験を心配するという妙ちくりんな設定。 これらは全て個人的に苦手な類いのもので、序盤から既に相性の悪さを感じつつ何とか最後まで鑑賞した。 平和でどこかノーテンキな登場人物達と、台湾の暖かい気候に支えられたのどかな雰囲気、悪くはないんだけど、いかんせん苦手な要素が多すぎた。




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by nijibabu | 2009-12-11 01:03 | ◆映画関連 その他 | Comments(3)
レスリー・チャン 君の瞳に恋してる
c0073737_22141910.jpg君の瞳に恋してる』(1985)

上映時間: 88分
製作国: 香港
ジャンル: 青春/ロマンス


監督: レイモンド・ファン

出演: レスリー・チャン
マン・ホイ/ウォン・シューケイ/ロレッタ・リー


*****************************************************
 2003年に自殺という形で惜しまれつつこの世を去った香港の人気俳優レスリー・チャンが、若かりし頃に主演した青春恋愛アタック・ムービー。自らカヴァーした吉川晃司のポップナンバー『MONICA』をはじめ、ゴキゲンな曲がドラマを彩る。DJの主人公は悪友の二人と共に、ナンパのことばかり考える毎日を送っていた。そんなある日、看護婦として働く箱入り娘の女にひと目ボレし、悪友二人も協力するが……。
(「eiga.com」より。)
*****************************************************

「友情」というものが、極めて美しく明るく描かれている。

コメディ要素たっぷりだが、根底にはかけがえのない友情、そして「死」にまつわる悲劇がしっかり描きこまれている。


今観るとダサさ全開で、パっと観、単なる二線級の香港映画なのだが、語られているテーマはしっかりしており、心奪われるものがあった。


レスリー・チャン主演だが、まだこの頃は渋さよりもやんちゃな勢いで売っている感じ。

だけど、後にアイドルというポジションが嫌になって一時、引退したことや、私生活ではゲイであったという事実からも分かるように、このような青春モノの元気溌剌な青年キャラを演じるのは、彼にとってかなり無理していただろうことは想像に難くない。


本作自体は、男が女を愛するという極めて普通のテーマを扱っていて、それが明るいところに良さを感じるわけだが、レスリー・チャンのこういったプライベートな背景を考えると、なんだか後味の悪さえ覚える。


c0073737_22201250.jpgレスリー・チャンの、こういったアイドルとしての役回りや、映画で演じるキャラとプライベートな彼とのギャップ、そして悲劇的な自殺という人生の幕切れが頭をよぎり、かえって本作の底抜けな明るさが複雑な影を落とす作品となっていて、なんとも皮肉である。




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by nijibabu | 2009-12-08 22:20 | ◆映画レビュー | Comments(0)
最近観た映画(2009.12.5)
【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品
★★★★★・・・深い印象を残した傑作
★★★★・・・十分に満足できた作品
★★★・・・普通に楽しめた作品
★★・・・不満の残った作品
★・・・何らかの苦痛を強いられた作品
********************************************

c0073737_1838817.jpg『サイクリスト』(1989/イラン)
【監督】モフセン・マフマルバフ
★★★
イラン映画を観るのって何本目だろう・・・ イラン映画としての特徴を遺憾なく感じることのできる作品である。 カルト色も強く、ところどころ見られるチープな演出も、むしろ楽しめてしまう。 話の設定としては単純なものだが、ストーリーが進行するにつれて、徐々に複雑さを極めてくる。 特に、背景にある賭け事の駆け引きがクローズアップしてくるあたりは、何が何だか分からない状況になった。 結局、彼はサイクリストとして、走り続けた・・・ この終わらせ方は実に巧い! イラン映画って、終わらせ方に印象的な作品が多い気がする。


c0073737_183927100.jpg『メイド・イン・ホンコン』(1997/香港)
【監督】フルーツ・チャン
★★★
返還前の香港を舞台にした作品で、香港のカオス的な街並みが存分に使われている。 香港色が色濃く出たこういったジャンルの作品は好みだが、主演の青年が死んだ後がどうも蛇足で、しつこさが感じられた。 この終わらせ方からして、この監督はそんなに巧くない気がする。 映像のスタイリッシュさや音楽の使い方など、魅力もある作品だが、全体的にしまりがないのが惜しい。 ついでに、ヒロインの女性が外見的に好みではなかったのも、個人的にマイナス要因となってしまった。 やっぱり、金城武にケリー・チャンの方が好き。 もし本作を金城武とケリー・チャンが演じていたとしたら、それだけでもっと楽しめたかもしれない。 こういうムード重視の、バイオレンス青春映画な作品は、外見的好みによって人それぞれ評価が分かれそうだ。


c0073737_2117532.jpg『生きてはみたけれど 小津安二郎伝』(1983/日本)
【監督】井上和男
★★★
サイレント時代の作品から遺作である『秋刀魚の味』にいたるまでが時系列的に記録されており、小津作品を30本以上観てきた私にとっては楽しむことはできた。 ただ、溝口健二に関する同様のドキュメンタリー『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』に比べると、それほど感銘は受けなかった。 ただ記録としてのドキュメンタリーに終始しており、もっと関係者の記憶を紐解く様な感動的な演出で観たかった気がする。 唯一、杉村春子のインタビューだけは、気持ちがこもっており、思わず杉村春子が涙声になるところなど、印象的であった。 それにしても、相変わらず新藤兼人は口数が多く、話がクドかった・・・


c0073737_21182752.jpg『恋する花火』(2005/香港)
【監督】ビリー・チュン
★★★
香港を舞台に多数の男女が織り成すエピソードが交錯する。 まるで、オムニバスの様な作品だが、むしろ分かりやすくオムニバス映画にしてしまった方がキレ味が上がったかもしれない。 いわゆる群像劇というスタイルをとっていて、多数の男女が複雑に交じり合う脚本は、なかなか巧くできている。 しかし、それぞれのエピソードに深みがないのが弱点。 そして、前半から中盤にかけて多用されるCGがしょぼくてうざったいので、作品の質感というか透明感を下げてしまっている。 楽しみ方としては、男ならば若くて個性的な女のコたちを堪能するのが正しいのか?! リクルートスーツばりのカチっとしたスーツに、ミニスカート。 これは勿論嬉しいし、女子高生が教師を誘惑する設定なんかも、興奮できる。 だけど、逆に言えば、それくらいしか楽しい要素がない。 個々のエピソードは詰めが甘く、それぞれが適当に都合よく終わってしまうのがマイナスポイントだ。 日本に勝るとも劣らない香港のファッション、そして香港の街並みなどは楽しめるので、それはそれで良かったのだが、それをもっとスタイリッシュな映像で見せてくれれば、もう少し印象も変わったに違いない。


c0073737_21202193.jpg『ブラックボード 背負う人』(2000/イラン・イタリア・日本)
【監督】サミラ・マフマルバフ
★★
いかにも映画第三国的な雰囲気を持った作品で、エキゾチックな気分に浸れる。 しかし、どちらかと言うと、そのエキゾチックさが、私にとって不慣れな映画文法と相まって、マイナスな方向に働いている気がした。 どこに映画としての面白さを感じていいのか、最後まで戸惑いながらの鑑賞だった。 ブラックボード(黒板)を背負う自称“先生”は、教育というものに無縁で無関心な人達に一方的に勉強を教えるが、ことごとく無視されるというストーリーは、クドさもあるし、イライラもする。 おそらくこの作品が扱いたかったテーマは、こういった不安定な環境に居る人達への「教育の機会」「教育の方法」という、社会的・国際的問題なのだと思われるが、その真面目さが面白さを削いでる気がした。


c0073737_21235967.jpg『楊貴妃』(1955/日本・香港)
【監督】溝口健二
★★★
本作でもやっぱりオープニングは重厚感があって素晴らしかった。 溝口後期の作品は、オープニングだけでも楽しめる。 しかし内容は評判通り、あんまりよろしいものではなかった。 明らかに溝口が苦手なジャンルに手を出したというか、そもそも、日本人オールキャストによる日本語の楊貴妃物語なんて、設定に無理がありすぎる。 そんな無理な設定で、よく完璧主義の溝口が最後まで匙を投げず撮りきったものだと感心してしまうほどだ。 おそらく部屋のセットとか調度品を見せたいがためであろう引いたショットが続き、名優、森雅之の演技すらも堪能できない結果となっている。 ただし、全てがダメかと言ったら、そうでもなくて、溝口作品ならではの奥深さと気品が画面全体に広がっていた。 そして、京マチ子じゃなく、当初の配役であった入江たか子の楊貴妃で観てみたかったという思いが沸々と湧いてきた。


c0073737_21254636.jpg『日本春歌考』(1967/日本)
【監督】大島渚
★★
学生運動と似たノリで、とにかく集団行動。 登場人物たちは、群がるのが好きで、単独で動くとすれば女と会っている時だけ。 そんな生活パターンは、個人的に嫌いなので、全く感情移入できない。 もっと、孤独を愛せと言いたい。 そしてビデオジャケット裏の解説文にも書いてあったが、いかにも即興的な作りで、思いつきで撮った感じ。 これが当時は挑戦的な試みで、前衛的だったのかもしれないが、現在からみれば何ら前衛的でもないし、乱暴で適当な作りになってしまっている。 そして歌がしつこい。 ヨサホイ節はまだいいが、気色の悪い民謡みたいな独唱をやめてほしかった。




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by nijibabu | 2009-12-05 21:26 | ◆映画関連 その他 | Comments(4)
最近観た映画(2009.12.2)
【評点基準】
★★★★★★・・・滅多に出会えない超お気に入り作品
★★★★★・・・深い印象を残した傑作
★★★★・・・十分に満足できた作品
★★★・・・普通に楽しめた作品
★★・・・不満の残った作品
★・・・何らかの苦痛を強いられた作品
********************************************

c0073737_2011631.jpg『日本の夜と霧』(1960/日本)
【監督】大島渚
★★
新安保闘争の内幕をリアルに描いてはいるが、疾走感が甘く、なんだかのらりくらりしている印象だ。 当時を知らない私の様な世代であったとしても、映画を観ることにより、まるで当時を生きたかの様な感覚を覚え、興奮できるような作品に仕上がっていたならば、もっと新安保闘争というものに興味を持てたかもしれず、何とも残念である。


c0073737_206599.jpg『獄門帳』(1955/日本)
【監督】大曾根辰夫
★★★
主人殺しをしたのは誰か?という問いかけの下に、ミステリー風味で進行する時代劇。 鶴田浩二が主人(岡田英次)殺しをしたとして、引き回し&はりつけの刑をくらうことになるが、それをどうも不審だと感じた牢屋の奉行(笠智衆)は、鶴田浩二が無罪として問い詰めていく。 実は、岡田英次の妻(香川京子)が犯人だったと分かるのだが、時代劇でありながら、まるでミステリー小説を読み解く様なその味わいは、独特のものがあった。 香川京子は、実に和装が合っていて、その美しさたるは際立ちを見せていた。 香川京子は、やはり現代劇より和装を着こなした時代劇の方が美しさを発揮するように感じる。 しかし、実質的には笠智衆が主役の内容で、鶴田浩二や香川京子はどうも存在感が薄い。 笠智衆は、他の作品でよくみかける「穏やかな老人役」ではなく、芯の通った強気な老人役を演じており、これには新鮮味を感じた。 話はやや長いのがネックだが、その内容はなかなか充実しており、見応えのある異色時代劇であった。


c0073737_2074870.jpg『病院で死ぬということ』(1993/日本)
【監督】市川準

ターミナルケア(終末期医療)の現場を淡々と描いた作品だが、あまりに無難というか、ステレオタイプな末期ガンの描かれ方に、何ら感動をおぼえなかった。 末期ガンの現実なんてのは、もっと凄まじく「過酷」であり、又、生命が最後の輝きを見せるという面において、これ以上なく「美しい」ものだ。 それがどうだろう、本作はその「過酷さ」と「美しさ」の両面とも描ききれていないではないか。 大体、あんな離れた位置に置かれたカメラでオブラートに包んだ様に撮って見せても、終末期医療の空気感なんて伝わって来ようはずがない。 これからガンに立ち向かうべき人達、これからガンと立ち向かうかもしれない人達がこの映画を観たとして、何のヒントが得られるというのだろうか。 こんな傍観したような映像からは、何の救いも得られないし、なんら魂も伝わってこない。 むしろ見ない方が良いと言えるかもしれない。 同じ末期ガンを描いた作品として、『ヨコハマメリー』が頭に浮かぶが、こちらの方が断然良かった。 『ヨコハマメリー』は、まさしく、末期ガンにおける生々しい残酷な現実や生命の神秘、そして人が死に直面した時、その人のそれまでの人生がどう噴出するかなどについて、ありのままを描いていた。 本作は、あらゆる面で手ぬるい。 人生最後の美しき輝きや、死に向う過酷な時間経過などを、表現しきれていない。 よって、ダメダメな作り物映画である。 いかにも小説である。 しかし、ただ一つだけ本作に共感をおぼえたことがある。 それは、「愛」というものが、人を死の恐怖から救うという結論である。 終末期医療においては、この「愛」というものが存するという事こそが、唯一の救いとなるのである。


c0073737_2091439.jpg『緑茶』(2002/中国)
【監督】チャン・ユアン
★★★★

こちらのレビューをご参照下さい。


c0073737_2011279.jpg『故郷』(1972/日本)
【監督】山田洋次
★★★
山田洋次監督作品ではお馴染みの常連たちが活躍し、それを観ているだけでも楽しめてしまう。 高度成長期を生き、良くも悪くも時代の波に飲み込まれた家族の生活を、丁寧に描いており、好感が持てる。 そして、渥美清がかなり活躍していて、完全に主役を食う勢い! それにしても、井川比佐志はやっぱり主演を張るには地味すぎる。 もちろん、その地味なキャラがはまっている役柄ではあるのだが、穏やか過ぎる物語の進行と相乗効果をなし、正直、少し退屈する内容ではあった。 山田洋次監督作品の中では、突出した作品ではない。 しかしながら、山田洋次ワールドをじっくりと楽しめる作品ではある。




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by nijibabu | 2009-12-02 20:12 | ◆映画関連 その他 | Comments(5)